概要
お孫さんのために、「アリス」をモチーフにした小屋の制作をご依頼頂きました。制作を依頼して頂いた敷地は約1.5メートル×1.8メートル。狭い敷地である他、難題が数多くありました。
定年を控えたご主人からお電話を頂き、初めてご自宅に伺った時案内されたのは、駐車場横にある花畑でした。植物を長年見ているとその姿を見ただけで、主の姿が浮かぶことがあります。
特に草花は繊細で、日々の水遣りや土の管理、適切な植替え。そうした細かな配慮が一目で見えます。このお庭では、どの草花も葉が艶やかで茎が真っ直ぐ伸び、花を咲かせていました。植物は「正直」な生き物なので、こうして草花と対話できる方に、お話を伺うことが凄く楽しみになりました。
「庭の一角にアリスの小屋を作って欲しい」というのが、そのご要望でした
アリスの小屋? アリスの小屋・・・早速、不思議の国のアリスを何度も読み直しながら小屋を探しましたが、見当たりません。
考えあぐね、再度、ご訪問。
「なぜ、アリスの小屋がいるのですか?」と率直にお尋ねしました。
「二人の孫娘が週末にくるので、そこで遊ばしてあげたい」、そうお答えになりました。
アリスとは二人のお孫さんだったのかと思い直し、設計を開始しました。
みながらラフで描いて見た当時のスケッチです。台所の窓があり難しい場所でした。
二人の女の子が過ごす小さな小屋。覗き窓があり、秘密のドアがあり・・・・そこにはアリスを待つ白ウサギいる。
小さな物語を書きつけるように設計いたしました
庭小屋
正面の木製ドアは当初ついていませんでしたが、お客様がその後セルフビルドでお付けになりました
ドア横の小さな窓をあけると、白兎が女の子を待っています。このウサギも人形作家に依頼し制作しました
こちらは小屋の内部からの眺めですが、後姿の丸いお尻が可愛いですね
アリスをモチーフにアイアンの看板もオリジナルで制作いたしました
小屋の側面には小さなドアと階段、これは子どもだけの入り口です
小屋の背面には、オリジナル木製ドアと窓があります
室内床はアンティークレンガを敷いています
テーブルや棚も制作しました。テーブルの上から外へ出ることができます
お孫さんが粘土でお作りなった飾りを記念につけました
庭小屋以外のアイテム
小屋以外にこの世界を分離させるための袖壁を作りました
この小さなドアの後ろには陶器の土管が繋がり、トンネルになっています
仕様
主な用途 | お孫さんの遊び場 |
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床面積 | 3.6m² / 1.09坪 |
費用 | ¥1,300,000(諸費税別) ※小屋のみの価格となります |
屋根 | アスファルトシングル |
床仕上げ | アンティークレンガ |
壁仕上げ | イタリア製漆喰塗り |
窓 | オリジナル木製窓 |
ドア | オリジナル木製ドア |
断熱材 | なし |
設備 | 照明 コンセント1 |
備考 |