お客様の小屋の使い方や過ごし方は、一人づつ違います。ひとつの「定型」な作り方、カタチではこのようなご要望に対応することが出来ません。
「床を水洗いしたい」
「小屋を部屋のように使いたい」
「クーラーなどもつけたい」
「クロス貼りで内装を仕上げたい」
小屋制作には、家の建築にも劣らない様々な技術要素が必要なのです。
小屋の躯体や下地を作る「木工」。壁を塗る「左官」。ブロックやレンガを積む「外構」。木や石を使う「造園」。電気や水道などの「設備」。その他、基礎、土木、タイル、屋根、建具など様々な技術要素を結集しなければ小屋を作ることはできません。しかし、小さな小屋を、家の建築のように「分業」するとコストが増大する傾向にあります。
フィトライフの小屋は、10年近くにわたり、「多能工」と呼ばれる横断的に他の職種技術も習得する「チーム」を作り、各工程の殆どを「同じ職人チーム」が制作する仕組みになっています。その理由は、二つあります。
ひとつめの理由は、込み入ったデザインや構造を作り、分業するにはコストが増大します。家の建築で例えれば、すべて「オプション」扱いされる内容で小屋は出来ていると言っても過言ではありません。その為、作るものの品質を落とさずにコストを低減化させるには、下地から仕上げの形まで、理解し、制作することが必要になります。
お客様に満足いただけるデザインワークとコスト低減を行うには、一般に分業されている技術要素を横断的に実行できる「職人」が必要だったからです。
ふたつめの理由は、一貫して制作することにより、オリジナル性と制作品質の高い小屋を実現することです。フィトライフ の小屋では、既製品をあまり使わず、材料そのものを持ち込んで現場で制作します。現場では、図面ではわからない様々なことが実際起こります。
例えば、穴を掘らねばならない場所に、古い配管があり、削掘が不可能な場合もあります。こうした問題をクリアし、完成させる知恵とチカラが実際には必要です。
柔軟に現場対応するには、既製品をあまり使わず、材料そのものを使い、操る多能な職人が必要となります。また、こうした体制により、お客様にとっても「同じ顔」の職人が毎日働き、私たちもお客様も互いに相談しながら制作することが出来ています。
フィトライフ の小屋は、小屋の完成だけでなく、「空間」の完成を目指します。その為、環境やお客様のご希望を聞きながら、木や草花を植えることも項目に入ります。
こうして、ひとつづつ手作業で行うすべての行程は、お客様と私たちの「手作業の記憶」がカタチになったものであると思います。
そして、好きな小屋でなく、好きな「空間」をお渡しすることが私たちの目標であると思います。